ノリウツギ ウツリベニ

2018.7.14
山鼻川の石積築堤両側に列植されているノリウツギ。 写真を撮ったのが7月14日で、あと数日で見頃を迎えるところでした。 7月26日(木)に北大植物園へ行って来たのですが、そこのロックガーデンに植えられているノリウツギはちょうど満開でした。

2017.8.29
上の写真のノリウツギは昨年の8月下旬に撮ったものです。
初めてこの花を見たとき、開花期が通常のものに比べて約1ヶ月遅れているので、「この花はノリウツギに似ているけれど、本当にノリウツギ? 別の種類では?」
と確信が持てませんでした。
2017.9.24
この花木は我家の近所にあったので、何回か見ていると、花弁がほんのりとピンク色に染まって来るのです。 それは、そろそろ紅葉を意識し出す頃で、通常のノリウツギの花の見頃から約2ヶ月も過ぎた、9月下旬です。
そんな頃に、この家の方が庭の手入れをされていたので、
「このノリウツギに似た花木は何ですか?」と尋ねると
「ウツリベニです」と返ってきました。
確かに、白花から薄紅に変わっていく姿は移り紅です。
早速、家に帰ってパソコンで調べると
Hydrangea paniculata ‘Utsuri Beni’ ノリウツギ「ウツリベニ」
と出ています。
そのウェブページには、この「ウツリベニ」という品種以外にもカタカナ名の品種が多数掲載されていて、花色も豊富で花冠の大きなものなど欧米で新しい品種が次々と作出されているようです。

 

 

 

 

 

イワガラミ 訂正

7月18日のブログ:イワガラミで、「イワガラミは樹木に絡みついて這い上るのですが、ツルアジサイは気根を出して樹木や壁などにへばりつきます」
と記しましたが、
2018.7.24
イワガラミもツルアジサイと同じように、気根を出して壁などにへばりつくようです。
写真は、百合が原公園のサイロの壁面に気根を出してへばりついているイワガラミ。 サイロの壁面の石材は石山軟石のようです。

 

ニンジン

2018.7.18
せり科。 原始的なものは1年生でしたが、現在栽培されているものは2年生。細かい花が傘状につくことから繖形科、またはカラカサバナ科とも呼ばれていました。 花色は一般に白色で、1花序に10~150もの小繖を、そして、1小繖に20~70個くらいの単花をつけます。 したがって、1花序は3,000内外の花から成立していることになります。 普通の栽培では花ができると品質が悪くなるので、とう立ちの遅い品種が作られています。 冬を越した根から、翌春、60~100㎝くらいも伸び、主茎部のものから開花を始めます。 野菜では、セルリー、パセリ―、ミツバなどと同じせり科の仲間です。

<胡(異国)からきたダイコン>
野生種はヨーロッパ、北アメリカ、アジアに広く分布いているが、一次発生の中心地は中央アジアのアフガニスタンで、わが国の金時ニンジンはアフガニスタンの血をひくものといわれています。
中国には、イランを経て広く伝えられたようです。 『本草綱目(1578年)』にも、元の時代胡の国から伝わったと記され、蘿蔔(ダイコン)に似ているところから胡蘿蔔と名づけられました。 戦中に農業を学んだ私たちには、作物の漢字書きには苦労させられました。 戦後、新仮名遣いができて、漢字の苦手な私が一番ほっとしたのは植物名が片仮名に統一されたことでした。

<チョウセンニンジンから名を奪う>
わが国へは、中国を経て渡来していますが、年代は不明。 1600年~1700年の古書には、すでに赤、白、黄の系統が記され、京都、大阪付近には現在の金時ニンジンの存在が暗示されています。
最初、渡来したころに、チョウセンニンジンの形が似ていることからニンジンと呼ばれ始めましたが、栽培が普及するにつれ、名前がすっかり定着し、単にニンジンというとチョウセンニンジンではなく、野菜のニンジンをさし、人参と書いて通用するようになりました。 漢方高貴薬としてあまりにも有名な本家本元の人参はセリ科ではなく、ウドやタラノキと同類のウコギ科ですが、植物としてはセリ科と近縁といえましょう。

<栄養豊かな野菜。
ニンジン色といわれるカロチンは、体内でビタミンAに変わることが知られており、糖分が多く消化のよいところから、幼児や病弱な人はもちろんのこと、一般の人にも保険野菜として欠くことのできないものです。 あの精悍で俊足な馬の大好物であることからもうなづけましょう。
ところが私は、幼いころからカレーライスのニンジンもより分けて残すほどの、大のニンジン嫌い。 ニンジンのこととなるとつい、体が小さく虚弱体質で人前ではいつもおどおどしていた小さいころの自分を思い出すのです。 そしていま、こんな話をしても誰も信じてくれません。 中等学校時代の寄宿舎生活と、戦後開拓地に入植したころのどん底生活が、私の心身を鍛えてくれたのでしょう。 過酷なほど苦しかった過去にも、ときおり、感謝することがあるのです。(札幌市農業センター 林 繁)

<余談>
ちょうどこの時期、郊外の道路脇や空き地などいたるところでノラニンジンを見かけます。 ノラニンジンはニンジンが野生化したものと言われているので、両者の花の形状はほとんど同じです。
それでは、上の写真がどうしてニンジンなのか?というと、近所のお宅の庭の片隅で、草丈が1.0~1.5mのノラニンジンと同じ花をつけた株を見つけたときに、ノラニンジンなら庭に植える訳がないし、ニンジンならこの時期にこんなに大きな株にならないし、と不思議に思って見ていたのですが、たまたま家主が庭で草取りをしていらしたので、
「これは何ですか?」、と尋ねると
「去年、タネをまいて収穫しないで放って置いたら、こんなになってしまった。」
と言いながら、1株を引き抜いて、
「全然太らないし、赤くもならない」
と言って、ほんの少し赤味を帯びた細い根っこを見せてくれました。
それは、以前道端でノラニンジンの根っこを引き抜いたときのものと全く同じでした。

 

 

タチアオイ

  2015.7.18
この時期、街中を自転車で走ると、タチアオイ(Alcea rosea アオイ科タチアオイ属)をよく見かけます。 宿根草なので、毎年同じ場所で同じ時期に同じ花色の花を咲かせてくれます。 ほとんどが車道と歩道の間にある植樹枡で見かけます。 個人の庭にはあまり?それほど?ほとんど?見かけません。
草丈は1~2mで大きいものは3m近くになります。 花は同じアオイ科のハイビスカスに似ています。
2011.7.11
花色は白、赤、ピンク、黄、写真のように黒紫色と変化に富み、また八重咲品種もあるようで、多種多様な園芸品種が作られているようです。

<余談>
このタチアオイが個人の庭であまり?それほど?見かけないのはなぜか?、その理由をあれこれ考えてみると、
➀ 手狭な庭には 株が大きくなり過ぎること
➁ 比較的草丈が高いもので個人の庭で見かける草花は、シュウメイギク(キンポウゲ科)やキク科のものが多いように思われるのですが、これはおそらく室内の装飾用として花瓶に生けたり、お供え用の仏花として使うためで、その点、このタチアオイは花弁が薄く翌日になると萎んでしまうような日持ちの悪い花なので、花は見栄えはするけれどもあまり実用的ではない、
そんな理由で個人の庭にそれほど見かけないのではないか? などと自転車に乗りながら考えていました。

 

藤野通 宿根草花壇

2018.6.17
写真は藤野通の緑地帯にある宿根草花壇。 場所は藤野通と国道230号が合流する付近。
この緑地帯の幅は1mくらいで、そこにオウゴンシモツケとアルケミラを交互に、その2種と並行してラベンダーが植えられています。
この3種を主体に、シャクヤク、アナベル、ラムズイヤーなどハーブ類が植えられています。 彩を添えるために、ところどころにベゴニアなどの1年草も植えられています。 黄色でこんもりと丸いのはオウゴンシモツケとアルケミラです。赤味を帯びたほうがオウゴンシモツケで、黄緑色はアルケミラ。

2018.7.18
写真は上と同じ場所を1ヵ月後に撮ったものです。 ラベンダーがきれいです。
我家周辺の歩道の街路樹桝に植えられているものは最盛期を過ぎて、じっと見つめると吸い込まれそうになるあの深い青紫色は既になくなっています。 ラベンダーの花の咲いている期間は長いように思われますが、本当の美しさ、輝きを放つ期間は意外と短いようです。

この花壇を最初に見たのは今から10年ほど前で、その当時はまだ株も小さく、道路が傾斜しているので雨が降ると土が流されるのではないか?、草取りや枯死した株の補充など維持管理が大変だろうな などと思いながら、少し急ぎ足になると息が切れる程の傾斜のある歩道を歩いたのを覚えています。
それから10年。 現在も雑草のない手入れが行き届いた花壇になっています。