ナシ(幸水)  初収穫

台風18号が北海道に上陸するという予報だったので、一昨日(9月17日)に、庭の果樹(リンゴ、プルーン、ナシ<幸水、ブランディ>)の枝折れ防止のための剪定をしました。 予想通り北海道に上陸し台風の目は札幌の上空を通過したのですが、少し強めの雨は降ったものの、思ったほどの風は吹かず、野菜と果樹、我家の家庭菜園には全く被害はなかったです。 ひと安心です。
ナシ(幸水)については、風で落果するのではないかと思い、少し早いかなと思いつつ台風が来る前に収穫しました。 重さは一つが290gで、もう一つが260gです。
2017.9.14
幸水5kgの箱入りで、
・20玉入り=M、250g/個
・18玉入り=L、278g/個
・16玉入り=2L、313g/個
・14玉入り=3L、357g/個
・12玉入り=4L、417g/個
なので、我家のナシは、L玉とM玉というところでしょうか。
早速、食べてみました。 スーパーで購入するナシに比べると、シャキシャキ感は同じなのですが、甘さは少し劣ります。 幸水は本州物が8月上旬から出回っているので、札幌でのこの時期の収穫が遅いこともないと思うのですが、それでも、もう少し置いておいたほうがもう少し甘くなったのかな?という気がします。
というのは、玉が大きくなりだしたのは、8月のお盆前後からで、それまではピンポン玉の大きさでした。 いつまでも大きくならないので、我家(札幌)では和ナシは無理なのか?と少し心配もしました。 北国では、大きな玉になって甘味も増すには9月中旬の収穫は少し早いのかも知れません。 来年は9月下旬か10月上旬に収穫しようと思っています。
2017.9.14
写真のナシ(幸水)は、3年前の平成26年春に雪印種苗で購入し苗木です。 3年目で花が咲き、一応小さいながらも2個実が生りました。 樹高さは約2.5m、幹径は4~5cm。 写真を撮った後に剪定をしているので、現在は約1.5m。 和ナシ(幸水)は洋ナシ(ブランディ)に比べて葉が大きく、成長も早いようです。

ナシはリンゴやモモに比べると重大な病気はなく、害虫ではアブラムシとシンクイムシが主なものです。 シンクイムシについては袋かけで、アブラムシは1回/月の殺虫剤の散布で防げますので、栽培は比較的容易です。 以下は今年の栽培暦です。
・5月14日  開花
・5月22日  1回目農薬散布 アクテリック(殺虫剤)
・6月 2日  2回目農薬散布 オルトラン(殺虫剤)
・6月27日  3回目農薬散布 カルホス(殺虫剤)
・6月27日  袋かけ
・7月23日  4回目農薬散布 スミチオン(殺虫剤)
・9月初旬?  除袋
・9月17日  剪定(枝折れ防止:台風18号)
・9月18日  収穫
  

 

ナシ  冬芽

2017.4.8  品種:幸水
冬芽は卵形ないし長卵形で、長さ5~12mmあり、下位の側芽は小さく、頂芽はやや大きい。 芽鱗は帯赤暗褐色をし、内側に軟毛がはえ、7~10枚が重なる。
1年生枝は太く、径3~8mあり、帯緑褐色ないし帯赤褐色をし、無毛である。 皮目(写真の白い点々)は灰色をし、大きく、だ円形ないし長だ円形で多数ある。(落葉広葉樹図譜)
写真の冬芽は花芽(おそらく)

2017.4.8 品種:幸水
写真の冬芽は葉芽 花芽に比べて明らかに細い。

2017.4.8  品種:ブランディ(洋ナシ)
我家にある幸水(和ナシ)ブランディ(洋ナシ)の冬芽を比べてみても、大きさ、形状などほとんど違いはないようです。 2017.4.8 品種:ブランディ(洋ナシ)
短果枝についた冬芽(花芽)

ナシ 洋ナシ(ブランディ) 追熟

洋ナシ(ブランディ)を植えて12~13年?経ちますが、まともな洋ナシを約40個も収穫できたのは、今年が初めてです。 その理由は、昨年までは、農薬を4回ほどかけていました。 散布時期が適切でないのか?、シンクイムシに食われて、果実がでこぼこに歪んで食べられないものが多かったのです。 今年は袋かけをして、しかも、例年通り農薬も散布したので、シンクイムシの被害から免れました。 これが大きな要因のようです。

しかし、洋ナシはたくさん採れたからと言って、それが全て美味しく食べられるというわけではありません。 洋ナシは、樹に着生しているときには完熟せず追熟により初めて食べごろになる果実です。 類似のものに、キウイ メロン パパイヤ マンゴーなどがあります。 我家の朝食にたまにキウイが出てきますが、甘くて柔らかいものや、すっぱくて硬いものがあったりで、美味しさにバラばらつきがあります。 これは食べごろが分らない、追熟を知らないことによるためと思います。

追熟のメカニズムは、収穫されたばかりの洋梨には僅かにデンプンが含まれています。 このデンプンの状態で食べると硬くゴリゴリした食感で、甘みもあまり感じられずまずい梨でしかありません。 ところが、収穫後しばらく寝かせておくことでこのデンプンが果糖やしょ糖、ブドウ糖などの糖分に分解され、更にビタミンBやCも多くなります。 また不溶性のペクチンが熟すに従って、水に溶けてとろみのもとになる水溶性のペクチンに変化するため、あのとろっとしたなめらかな肉質に変化していきます。こうした一連の変化を追熟と言います。この追熟をさせてやらないと洋梨は美味しい果物にはなりません。(ウィキペディアより抜粋)

ということで、今年は、収穫した洋ナシ(ブランディ)の追熟調査をしてみました。 ブランディの収穫適期は9月上旬頃なので、9月初めから中旬にかけて、毎日、3~4個収穫し、常温(室内で追熟)と冷蔵庫の二つに分けて追熟をしてみました。 以下の表が結果です。

洋ナシ食味評価.pdf-1_01

1 追熟の方法
・収穫は、9月1日~9月21日までの3週間
・その日に3~4個収穫して、半分を室内で、残りを冷蔵庫で保管(冷蔵庫に入れて置く期間は10日間を目途)
・冷蔵庫に入れたものは、約10日後に取り出し、室内で追熟

2.食べる時期の判断
・収穫時の果実は緑色であるが、食べごろになると果皮が黄色味を増し、洋ナシ特有の芳香がでる = この頃が食べごろ

3.結果
・室内(常温のみ)で追熟したものは、食べごろになるまでに約24日
・冷蔵庫に保管後室内で追熟したものは、約31日
・冷蔵庫に保管したものは、冷蔵庫から取り出してから室内での追熟に約20日を要しており、室内もみ(常温)での追熟期間24日と大差が ない。
・初期に収穫したものが早く食べごろになるとは限らない。 それは、室内(常温のみ)と冷蔵庫+室内も同様の結果となる。
・冷蔵庫の保管は、追塾期間が長くなっただけで、食味、とろっとした感じ等それ以外に室内保管(常温)との明確な差はなかった。
・食べごろになるまでの日数(追塾期間)は、収穫の早晩に関係なく、個々の果実の質?による。
・収穫時期の早晩、常温・冷蔵の区別なく、10月16日に食べごろと判断したものは、果実内の水分が抜けたようで、あのとろっとした食感 は全くなく、全て果皮の表面が柔らかく、手で押すとしわができた。

4.食味
・「美味しい・まあまあ」と評価できたもの:14個/36個(室内:6個/17個、冷蔵庫:8個/19個)
・とりあえず食べられるもの:4個/36個(室内:1個/17個、冷蔵庫3個/19個)
・食べられない、1個食べれば十分なもの:18個/36個

 ナシ ブランディ

5.まとめ
・昨年、一昨年も収穫したすべてのもが、追熟中に果実の表面が黑く変色して食べられるものが1個もなかったのです。 今年はこの黒く変色 するものは少なかったのですが、おいしく食べられたものは14個/36個、約4割弱と散々な結果に終わりました。
・「収穫が早いものが早く追熟して早く食べられる訳ではなく、追塾の期間は個々の果実によるものである」ということ、それと、食べごろが10月16日以降になったものは、全て美味しくなかった という結果になりました。(ビニール袋等に入れて保管すれば、また、別の結果になったかもしれ ない)。

私の数少ない経験からすると、洋ナシを上手に追塾して、みずみずしくとろっとした食感のもをつくるのはなかなか容易なことではありません。 洋ナシの生産者はどのような方法で、追熟しているのでしょうかね? 一度、詳しく聞きたいものです。

ナシ(その3):幸水

昨年(2013年)7月8日のブログで、その前年の秋に、我家に2本あったプラムの内の1本が枯れたことを記しました。
その翌年(昨年)は、1本になったプラムの樹には1個の実もなりませんでした。プラムは、やはり自家不和合性であることがわかりました。
それで、その後に何を植えようか?といろいろ迷った(手間がかからず、それでいて美味しい果実を育てたい)のですが、日本ナシに決めました。赤系の“長十郎”が比較的耐寒性があり、果実は少し固めですが、なにしろ甘いので、それに、市内の果樹農家さんが“長十郎”を栽培しているという話で、これは、とりあえず、札幌でも商品なるナシができるということですから、これが大きな決め手となり、日本ナシに決めました。
4月末のゴールデンウィークに、園芸店に行き、ナシの苗木を見ると、“幸水”、“豊水”など“長十郎”以外にもいろいろと品種が揃っており、売っている方に尋ねろと、
「幸水や豊水でも十分育つよ」と言われ、身近に日本ナシを栽培しているという話をあまり聞かないのですが、とりあえずその言葉に乗って、信じて、当初の“長十郎から少し路線を変更して”“幸水”を買ってしまいました。
1-025 ナシ 幸水2014.9.4
4月下旬に自家製堆肥を入れて、深植えにならないように植え付けました。 購入時の苗木は1.7~1.8mもあったので、高さ1.3~1.4mくらいの位置で切戻しています。切り戻しの高さは、もう少し低い、1mくらいがよかったように思っています。今年伸びた枝(徒長枝)は左右に斜め45°に誘引しようと思っています。実を生らすのは、上手くいけば、来年充実した枝に花芽をつけて、再来年に1~2個実をつければいいかなと思っています。
写真左側に樹木の幹が見えます。これは2本の内の1本のプラムです。1本は抜根できたのですが、大きめの方のプラムは抜根できずに、枝葉を切落して丸太棒で残っています。
<心配事>
スーパーで売っている果物が一見美味しそうに見えて、しかも、値段が安いと、ついつい買ってしまいます。食べてみると、ぼけているとか甘くないとかで、果物は嗜好品なのでがっかりすることがたびたび?あります。
これと似たようなことが、この“幸水”にも起りそうなので心配しています。
再来年の秋、薬かけや袋掛けなど一シーズン手間をかけて育て、大きく実った“幸水”が普段食べている甘くて瑞々しい幸水と違って、甘味の薄い、しゃきしゃき感のない“幸水”だったらと。なにしろ、植えている場所が札幌ですからね。
<日本ナシの生産:平成24年(2012年)
〇都道府県別
・千葉:34,400t
・茨城:26,500t
・栃木:22,300t
・鳥取:21,100t
・長野:19,500t
〇 品種別(平成24年度:2012年度)
日本のナシの栽培面積は、13,800haで、その内、幸水;40%、豊水;27%、二十世紀;8%で、幸水と豊水で7割弱を占めています。 確かに、スーパーで見るナシは、幸水が多いですね。

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ナシ 西洋ナシ:ブランディ(その2)

西洋ナシ“ブランディ”を9月11日に11個収穫しました。
その前に、今年の夏の大まかな栽培履歴を書くと、
・摘果 : 6月中旬~下旬 ナシは一つの蕾から数個の花が咲き実が付くので、その中から大きくて花梗の太いもの1個残す作業。
・農薬散布 : 殺虫剤を4回散布(1回目:5月中下旬、2回目:6月下旬、3回目:7月中旬、4回目:8月上旬?)。1回の散布には、接触性と浸透性2種類の農薬を混ぜる。ナシについて作業は、この摘果と農薬散布のみ。
022 ナシ ブランディ
・収穫 : 11個
最大 : 260g/個
最小 : 130g/個
11個合計重量 : 2,110g
1個当たりの重さ : 192g
昨年は追熟のために収穫後室内で保管しています。今年はもう少し涼しいところと思い、ガレージに保管、昼間はガレージのシャッターを1mくらい開けて、風通しには気を使っています。
001 ナシ2013.9.16
ところが、収穫後5日目に最初の1個が痛んできました。写真のように果皮の一部が丸く褐変しました。収穫後2~3日で果実一部が黄色味を帯びてきました。早すぎるなと思ったら、5日目でこの状態です。褐変した中央に、透明な液が見えます。ここに小さな傷があったようです。シンクイムシ?ハチ?何かの昆虫による食害による傷があったようです。
RIMG0028.jpg2013.9.24
そして、今日、収穫後約2週間が経ち、食べ頃が近づいて来たので見てみると、これです。全てのナシに大小様々な丸い褐変が出ているのです。後1~2日置いておくと真っ黒になってしまいます。
今年は残念ながら、とろけるような舌触りのブランディを食することはできなくなりました。
それにしても、どうしてこうなったのでしょうか? 原因は害虫による果皮の食害? それとも病気? 収穫時期の間違い? 今年は収穫前の9月上旬に雨が多かったので、それが原因?まったく検討が付かないのです。 昨年と栽培方法(栽培というほど手入れはしていないのですが)は変わらないのです。 昨年も褐変して食べられなくなった果実は2個ほどあったので、このようになりやすいとは思っていたのですが、全部がだめになるとは!!
ウェブサイトで調べてみました。追熟の方法についての記載は多いのですが、追熟時の褐変については見つからなかったです。もし、このことについてご存知の方は、情報をお持ちの方はぜひご一報ください。

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