日の出  豊平川

2018.1.30
1月30日午前7時30分。 豊平川と川筋に沿って生えている冬枯れの樹林。 その向こうに広がる低い山並。 空は快晴に近く、ほんの少し赤みを帯びた低い空から太陽が顔を覗かせています。

札幌の1月30日の日の出は6時52分。 今冬の日の出が一番遅い時刻は7時6分で、 それは昨年12月29日~今年1月8日まで11日間続きます。  その一番遅い日の出の日から22日経った今日で14分早くなっています。 たったの14分ですが、朝が早くなったと感じます。 1月上旬から中旬までは3日に1分、2日に1分と日の出が早くなっていたのですが、この頃は1日に1分早くなっています。 そして、2月に入ると、5日で6分、4日で5分と日の出の時刻が加速して早くなっていきます。

毎朝、20~30分散歩をしています。 ここ数日は極め付けに寒く、雪の道を歩くと靴裏がキュッキュッ、ギュッギュッとなります。 分厚い毛糸の帽子を耳まで被り、マスクをしないと唇と頬と耳がヒリヒリと痛みます おそらく、気温はマイナス10℃を下回っているのでしょう。

節分は2月3日で今は大寒。 北国札幌の寒さはまだまだ続きますが、、朝はだんだんと早くなって、太陽は眩しさを増しています。 そんなところにまだ遠い春を感じようとしています。

 

ブラックベリー(クロミキイチゴ) 冬芽


2018.1.27                                                     2014.4.9

赤みを帯びた枝の太さは約8mmで、白っぽい冬芽は1cm弱。
冬芽は、芽を保護する芽鱗はなく裸芽のようです。 中には、この厳寒期に少し葉?が開き加減のものもあり、中途半端な冬芽が目立ちます。
赤い枝に白いつぶつぶが見えますが、これは皮目のようです。

写真左の冬芽に小さな葉のようなものがついていますが、托葉ではないでしょうか? 葉柄が折れてその基部だけが残ったようです。
葉柄が折れない場合は、写真右のように春先まで枯葉が残ります。 葉柄の基部は枝にぴったりくっついていて葉痕を探したのですが見つかりませんでした。

 

<余談>
毎年、お隣さんからブラックベリーをいただきます。 昨夏はジャム(ブラックベリーの果実が崩れないで残っている状態のジャム)にしてヨーグルトのトッピングにしていただきました。 ヨーグルトの酸っぱさとブラックベリージャムの甘さが良く合います。

⇒  家庭にうってつけの小果樹ブラックベリー

 

 

ヤマグワ  冬芽


冬芽はニ列互生し、卵形ないし卵状楕円形で、やや扁平し、先が尖り、長さ3~6mmある。 ※仮頂芽は上位の側芽と同じ大きさである。 芽鱗は栗褐色をし、縁は淡色であり、無毛で、4枚が瓦状に重なる。(落葉広葉樹図譜)
ヤマグワの冬芽は、芽鱗の縁が白っぽくなり、卵型をした茶色地に、斜めに太めの白線が2本入ったような模様となります。

※仮頂芽 : 頂芽とは、枝の先端の冬芽のことで、それ以外の冬芽を側芽という。側芽は葉の付いていたところ(葉腋)にあり、枝の先端に見えても、実はその先の枝が枯れて折れてしまっている場合もある。 その場合は仮頂芽と言う。 一般に、仮頂芽は側芽と同程度のサイズになり、樹種によっては、頂芽も側芽と同じ程度の木もあるす。(冬芽の分類より抜粋要約)


写真は、真駒内公園内にあるヤマグワ(雄株と雌株)。 ヤマグワの樹形は、周りに障害物がなく自由に枝を伸ばせる場合、枝は横に伸びる性質が強いようで、扇子を目一杯拡げた形、八の字を逆さまにした末広がりの形状を示 すようです。
 2018.1.26
ヤマグワの芽の付き方は互生で、一年枝はジグザクになるのが特徴です。 芽の付き方が互生の樹は多いのですが、エゾエノキやケヤキなどニレ科の樹を見ると、その特徴がよく分ります。

シンジュ(ニワウルシ)  樹皮・樹肌

   
幹径:13cm        幹径:20cm       幹径:30cm

ベージュ色というか白っぽい?灰色の樹肌に縦の裂け目が入って、樹皮はジグザクの縞模様のように見えます。

  
左の写真は、中央区の南4条線、薄野(ススキノ)から石山通にぶつかる間に植わっているシンジュ。 樹高が20m近く、幹径は1m前後ある大きな街路樹が並んでいます。
地際から高さ約1.5mで樹皮の模様が変化しています。 上の方は比較的平滑ですが、地際の方は裂け目が少し深く、樹肌が荒々しくなっています。

右の写真は、豊平公園内にあるシンジュ。 樹肌は黒光りしていますが、これは雨に濡れたためです。 このような模様ができる樹肌を持つ樹をたまに見かけるのですが、それは必ずシンジュ(ニワウルシ)なのです。 この面白い模様は、金網のようにメッシュ状に筋が入り、その一つ一つがこんもりとひし型状に膨らんでいます。 その模様のできる位置は地際近くから高さ4〜5mまでの太い主幹の部分です。

どうしてこのような模様ができるのでしょうか?
日本植物生理学会「みんなの広場」には、
「樹木には、形成層を挟んで内側に木部、外側に師部がありますが、樹種によってそれらの成長する度合いが違うので、それが樹皮・樹肌のパターンを決める1つの大きな要因であるという研究発表があります」 と記載されています。

 

<余談>
この樹の和名はニワウルシで、別名がシンジュです。 私の住んでいる札幌では、シンジュの方が通りが良く一般的です。 ニワウルシというと、「かぶれる」の代名詞、ウルシの悪いイメージが思い浮かびますが、シンジュはそのような悪いイメージもなく、言葉の響きもいいので、個人的にもこちらの名前を好んで使っています。

シンジュ=神樹ですが、どうしてこのような立派な名前がついたのでしょうか? ハルニレのように太い枝が縦横に伸びて、その樹姿にある種荘厳さみたいもを、また、イチイ(オンコ)のように何百年も経た樹姿に重厚さを感じるわけでもありません。   夏の終り頃になると、樹上に果実(翼果)をつけるのですが、その色が濃赤に朱色を混ぜたような色のものがあり、樹冠にこの色を見ると、この樹は日本の樹じゃない、何か場違いのような、異様さ、不自然さを感じます。 この樹にはこのようなイメージを持っているので、シンジュはいいのですが、神樹ではない、と思っていました。 調べてみると、朝日百科 “ 世界の植物 ” に以下の説明がありました。

中国に樗(シユー)という木がある。 臭椿という別名が示すように、葉をもむと臭気を放ち、また大木になるが、木材はとくにすぐれた用途もないことから、古来いやしい不用な木、つまり、悪木のひとつとされてきた。 この樗という字が日本に伝わったとき、実物を知らないまま、たとえば、『平家物語』 では樗(あふち)、つまり、いまのセンダン(センダン科)に当てはめた。 どちらも羽状複葉という点では似ている。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ところで、悪木の樗がどのようにして神樹になったのか? インドネシアのモルッカ諸島原産で、同じ属のアイランツス・モルッカナAiranthus moluccana CD. が、現地名でアイラントとよばれ、それが天にも届く大木、つまり天の木という意味であったため、この仲間がヨーロッパに伝えられたとき、ツリー・オブ・ヘブン(天の木:tree of heaven) と英訳された。 1752年ごろ、遅れてイギリスに入った中国の樗が、しだいに庭園樹、街路樹として広まって、ドイツに入ったとき、さらにゲッタバウム(神の木)と転訳された。 明治の初め、オーストリアで育てた苗が導入されて、はじめて樗の実物が日本に伝えられたわけだが、そのドイツ名を訳して神樹と名付けられたのである。

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ハリギリ  冬芽


冬芽は暗紫色・紫褐色ないしえんじ色をし、無毛で、2~3枚の、葉柄基部起源の芽鱗につつまれる。 頂芽は大きく、半球形、円錐状球形ないし卵形で、長さ5~9mmある。  側芽は小さく扁平し、長さ3~6mmあり、下位のものは発達しない。  (落葉広葉樹図譜)

<余談>
ハリギリはハルニレ、イタヤカエデ、オニグルミ等と並んで札幌周辺の至るところで見ることの出来る樹です。 夏のお盆前後、藻岩山など山の中腹に白い斑点のような模様若しくは白っぽい樹冠をした樹を見つけたら、それはハリギリと思っても間違いないようです。
⇒ ハリギリ
そしてもう一つ、札幌の中心部でも大きなが樹を見ることができます。 それも恐らく開拓史以前の、もともとこの地に生えていたと思われる幹の太い樹です。
 2011.11.3
写真は、中央区北2条西6丁目、道庁南側入り口に生えているハリギリ。
そのほか、北1条西7丁目札幌テレビ放送(STV)北側歩道、 北1条西12丁目(札幌高等検察庁や札幌家庭裁判所のある一画の西側歩道)、 北1条西5丁目北菓楼札幌本館東側に生えています。