マイマイガ:大発生

7月6日(日曜日)に真駒内公園へ行ってきました。途中、地下鉄真駒内線沿いにある保安林を見ながら自転車で走ったのですが、その樹林でi周りの樹木に比べると葉色の違う樹があり、なんだろう?と近づいて見ると、
010 マイマイガ2014.7.6
その樹はほとんど葉がなくて丸坊主になっているのです。そのような樹がところどころに見つかるのです。樹種は不明
011 マイマイガ2014.7.6
南区(札幌市)でマイマイガが大発生していると聞いていたので、「マイマイガに食われたのだろう?」と推測するのですが、確認できません。 樹種はミズナラ?
真駒内公園に行って、樹々を見ると、ハルニレ、ミズナラ、カエデ類、オニグルミ、エゾノコリンゴ、ズミと、おそらくほとんどの樹種が被害にあっているようです。マイマイガは食べる葉に好き嫌いはなさそうです。
園路沿いに植えられているズミの樹に近づき、幼虫の写真を撮ろうと眺めていると、何かムズムズするので足元を見ると、黒いマイマイガがふくらはぎを這い登ってきているのです。慌てて手で払ったのですが、よく見ると、もぞもぞ動いているものや、歩行者などに踏み潰された残骸などが点々と地面に散らばっているのです。気持ち悪くなって、その場をさっさと離れました。
041 マイマイガ カシワマイマイガ204.7.6
カシワマイマイ:最大体長約70mm。灰色から灰褐色、前胸両側と腹端に長い毛束がる。年1回発生。卵で越冬。幼虫は5~7月に出現する。毒毛はない(孵化幼虫については不明<マイマイがは孵化幼虫は毒毛を持ち、皮膚炎の原因になる。成長すると毒毛はなくなる。>)。成虫は8月に出現。(北海道 樹木の病気・虫害・獣害)
マイマイガ(カシワマイマイ)の食害は、1本の樹がをほとんど食い尽くされている一方で、横にある樹はまったく被害にあっていないという傾向があります。これは、ガの成虫の卵の産み方、どの樹に卵を産むか?によると思うのですが、数知れないマイマイガの成虫が特定の樹に、しかし、樹種(餌)の好き嫌いはなさそうで、卵を産み付けるのは、どのような理由によるものなのでしょうかね?
また、園路沿いに列植されているズミ(100m以上?)はほとんどすべて食い尽くされていました。これを見ると、マイマイガにも好き嫌いがあるように思えるのです。
帰りがけに、山鼻川沿いの樹木(藻岩山麓)を見たのですが、マイマイガに食害されている樹木は見当たりませんでした。これもまた不思議なことです。
右側 カテゴリーの “マイマイガ”に写真等のブログを載せています。 場所は“◎公園”の上にあります。
<余談:マイマイガの発生周期>
マイマイガは10年毎に大発生すると言われています。なぜそのような消長が起こるのか?、そのメカニズムは下記ページへ
http://matome.naver.jp/odai/2140480628661701801

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サクラ:てんぐす病

5月6日の振替休日は、天神山緑地(南区澄川)で樹木研修を兼ねた花見会に行ってきました。この天神山緑地は相馬神社と隣接しており、さらに、相馬神社の隣に澄川墓地があるため、これらが一体となって住宅地の中で豊かな緑地を形成しています。高さ89mの小高い天神山の一帯(面積:18.6ha)は樹木などの伐採が厳しく規制される風致地区に指定されています。
天神山緑地にはチシマザクラやヤエザクラなどのサクラ類、ウメやナシなどが植栽されており、相馬神社には樹齢300年を越すシバグリや雑木林、澄川墓地には見事な樹形をしたコナラなどがあり、散歩に、樹木観察を兼ねた散策には絶好のスポットのようです。
021 澄川墓地 アサダ、コナラ2014.5.6
写真の大きな樹は左から、アサダ、コブシ、コナラ(樹高:15~20m弱、幹径:70~80cm) 澄川墓地
芽だし直前のコナラ。丸い樹冠の中を流れるように伸びていく幹枝。透き通るカーテン生地のような模様をつくりだす膨らんだ葉芽。それらがやわらかさと繊細さを織り成して美しい樹形を作り出しています。あと10日も経つと新葉は展いています。その頃、青空のもと、太陽に照らされて樹冠全体が銀白色に輝くのでしょうか?
前置きが長くなりました。話を本題のてんぐす病に移します。
天神山緑地には、上述したように、チシマザクラ、ヤエザクラ、エゾヤマザクラ、ソメイヨシノなど緑地造成時に植栽された比較的新しいサクラと、造成される前に植えられていたソメイヨシノや元々この山に生えているエゾヤマザクラの老木が混在しています。

てんぐす病
2014.5.6
これは、造成後に植えられた比較的若齢のソメイヨシノ(樹齢:約30年)に発生したてんぐす病。てんぐす病の発生した枝には葉だけが繁茂して、全く花が付いていません。この樹も樹冠全体に花数が少ないようです。

てんぐす病 ソメイヨシノ 天神山緑地
2014.5.6
てんぐす病が目立つのは造成以前からあるソメイヨシノです。樹高は15mを超える、ソメイヨシノとしては大きな樹で、樹齢も50年は優に超している思われ、老樹の部類に属します。ハルニレの大樹でよく見るヤドリギのように、樹冠全体にてんぐす病が発生しているのです。花はちらほらと咲いているだけで、とてもソメイヨシノとは思えない花の咲き方です。てんぐす病がついているから、ソメイヨシノとわかるくらいです。ソメイヨシノはてんぐす病がつきやすいといわれていますが、こんなにてんぐす病が蔓延している樹を見るのも初めてで、さらに、ここまで放置されると樹勢も弱り、ほとんど花が咲かなくなるようです。
エゾヤマザクラにもてんぐす病が発生しますが、花が付かないのはてんぐす病に罹った部分で、その以外の枝はたいてい花をつけていたように思います。ソメイヨシノはてんぐす病に罹ると樹冠全体の花付が顕著に悪くなるようです。
ソメイヨシノ てんぐす病
2014.5.4

<サクラ類てんぐす病について>
てんぐす病は、一部の枝が異常に分枝し、樹冠の一部が鳥の巣状やほうき状になる。てんぐ巣の基部は小さなこぶ状に膨 らむ。罹病枝上の葉は小型で縮れ、葉裏がやや粉白色(病原菌の子実層=胞子をつくる部分)になったのち、早期に褐変落葉する。てんぐ巣部分はすぐには枯死しないがいずれは枯死し、病巣の多い激害木は衰弱する。また、罹病枝は花をつけないため、観賞価値が著しく損なわれる。てんぐ巣基部のこぶ状の部分を含めて幹部を切り取り、焼却する。切り口には、チオファネートメチルペースト剤(トップジンMペースト )を塗布する。(北海道“樹木の病気・虫害・獣害”より)

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マイマイガ(その2)

4月17日の朝日新聞朝刊(道内版)に、今夏、札幌市で「マイマイガが大発生の恐れ」との記事を掲載しています。
016 マイマイガ2014.4.17
昨夏、札幌市などへ大量に飛来し、夜間に街灯や明るい外壁にびっしり群がったドクガ科のマイマイガ類が今夏も大発生する恐れがある。昨年の成虫があちこちに産みつけた卵塊から、ひとつあたり数百匹の幼虫がかえるとみられるのだ。幼虫は風に乗って拡散する可能性が高く、駆除するのは至難の業だ。「卵塊をみつけたら駆除して」大発生を防ごうと札幌市保険所が市民に呼びかけている。
道立総合研究機構林業試験場によると、マイマイガ類のマイマイガとカシワマイマイガの幼虫は、桜の花が咲く5月上~中旬、街灯や外壁、木の幹などに産みつけられた卵塊からかえる。卵塊は1つあたり数百個の卵を保有している。大発生した林では、1ヘクタールあたり最大で250万匹の幼虫が出てくる恐れがあるという。
http://blog.zaq.ne.jp/insect/img/img_box/img20110715184804218.jpg ← マイマイガの卵塊
マイマイガは、落葉樹の葉はもとより草や作物も食べるので、樹々が生い茂っている自然林などが近くにあって、庭木を大切にしている方は気をつけた方がよさそうです。
上述の林業試験場で、“マイマイガの生態・被害・防除 Q & A”を作成していますので参考にしてください。
http://www.fri.hro.or.jp/qanda/img/maimaiga.pdf#search=’%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%AC+%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%B9′
昨年8月にマイマイガについてブログを書いています。関心のある方は、カテゴリ:未分類 マイマイガ を見て下さい。

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マイマイガ

7月末頃からか?、通勤途中に行き来する歩道で、このような光景を見かけるようになりました。行き交う人、自転車、車に踏み潰されてアスファルトが白っぽく見えます。
001 マイマイガ2013.8.13
何灯もの水銀灯に照らされた大きな広告塔の下でこのような光景が拡がっています。
今、テレビやラジオで話題になっているマイマイガです。今年はマイマイガの大発生の年だそうです。確か札幌では平成20年か21年にも大発生した記憶があります。
002 マイマイガ2013.8.13
近くにある建物や街路樹にへばりついています。
035 マイマイガ2012.8.13
001 マイマイガ エビガライチゴ  2012.7.21
マイマイガの幼虫は、6~7月に色々な広葉樹で見られます。大きいもので体長約60mm、頭部にある八の字の斑紋が特徴的で、見分けるのは比較的容易です。写真の幼虫は、エビガライチゴについていました。
マイマイガの生態について調べてみました。
〇 生態 年1回発生。卵で越冬。春に孵化した幼虫は風に乗り分散する。孵化幼虫は毒毛を持ち、皮膚炎の原因になる。成長すると毒毛はなくなる。幼虫は5~7月に出現する。成虫は8月に出現、夜間に照明灯に集まり、メスは建物の壁や電柱などに産卵する。10年程度の間隔で広域に大発生する。落葉樹は葉を食い尽くされても再び葉を開き回復する。マツなどの常緑針葉樹は葉のほとんどまたは全てを失うと枯死する。大発生はたいてい1~2年で終息する。
〇 防除 森林では普通、防除を必要とされない。市街地では衛生害虫として問題となるため、壁などに産み付けられた卵塊を取り除く。また、春には網戸をするなどして、孵化幼虫の家屋等への侵入を防ぐ。樹木類に広く適用できる幼虫駆除用の農薬としてエトフェンプロックス乳剤、MEP乳剤、DEP乳剤などがある。(“北海道 樹木の病気・虫害・獣害”より)

<余談>
マイマイガが数年~10年周期で大発生するすることが知られていますが、その消長に大きく関わっているのがウィルスと言われています。「なぜマイマイガが突然大発生して、そして突然いなくなるのか」を、ウィルスとの関係を織り交ぜて書かれた面白い記述、論文?を見つけました。もし、興味のある方は、下記アドレスをコピーしてアドレスバーに貼り付けて、“Enter”を押してください。そのページに飛びます。
http://www.fri.hro.or.jp/kanko/kiho/pdf/kiho82-4.pdf

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