ニンニク  シンクイムシ

3年前からニンニクを作っています。 今夏で3回目の収穫になります。 ニンニクは秋植え球根と同じなので、秋に植え付け翌年の夏7月上旬頃に収穫します。 雪が解けて畑が乾く4月下旬に追肥をします。この時期の追肥がニンニクの玉を大きくします。
2018.4.30
ところが、昨春は元気に新しい葉を伸ばすはずの株の中に、5月に入っても新葉が伸びず、雪解け後に現した姿と全く変わらないものがあちこちに見られたのです。 その株を引っこ抜いて調べると、葉の間に緑色の幼虫がいるのです。 ちょうど新芽が出てくるところにいて、一番柔らかい部分を食べるのでしょう。 シンクイムシのようです。
この話をニンニクを作ったことのある人にすると、
「へぇー、そんな経験一度もないし、聞いたこともない。 ニンニクって、春先に追肥をしておけば、虫もつかず育つというイメージだけど」
と言われてしまいました。
関係書物やウェブページで調べてみても、それらしき被害のことは載っていません。

どうして我家のニンニクにシンクイムシがついたのか?

我が家のニンニクを植えている場所から2~3m離れているところにプルーンの木があります。 数年前?もっと前?からシンクイムシがつくようになっていました。
一昨年は昨年ほどではないにしろ果実が落ちたことを記憶ています。 数がそう多くなかったのでそのまま放置しtたように思います。 この時は、翌春ニンニクの新葉が食害されるとは夢にも思っていないので。

ところが、昨年は8月に入ると大きくなったプルーンの果実がぼろぼろと落ちてしまいました。 落ちた果実を割ると必ずシンクムシが入っています。 その数があまりにも多いので、畑に埋めたのですが、そのときに気づいたのです。  もしかして、ニンニクの被害もプルーンのシンクイムシが犯人では?と。

ウェブページで調べると、シンクイムシにもいろいろな種類がいて、ナシやモモ、リンゴなど果樹の害虫は、ナシシンクイムシとモモシンクイガが主体のようです。 前者の越冬方法は樹皮の間に繭をつくって冬を越すようですが、後者の老齢幼虫や蛹は、土中(地表から6cm程の深さ)で越冬することがわかりました。
最近は、スモモヒメシンクイガが果実に被害を与えるようで、この種も土の中に越冬するようです)

この害虫が我が家のニンニクの新葉を食害した犯人であるかどうかは、専門家に見てもらっていないので分からないのですが、その可能性が極めて高いのではないかと思いました。 それで、落下したプルーンの果実を畑に深く掘り起こし穴に埋め込みました。 さらに、晩秋にはプルーン樹冠下の落葉を取り除いて、熊手で表土を何度もこするように剥ぎ取りました。 そして、その落葉と表土も深く畑の中に埋め込みました。

その結果、昨秋100株程植え付けたニンニクの葉は1枚も食害されていません。 おそらく、今春は殺虫剤をかける必要はないようです。
2018.4.30
一昨年の春、ニンニクの新葉がシンクムシに食害されたのが、近くにあったプルーンについたシンクムシかどうかは分かりませんが、今春の結果を見ると、その可能性が高いのではないか?思っています。

→ プルーン シンクイムシ

 

 

カタクリ  真駒内公園


2018.4.22                                                    2018.4.22
五輪通沿いにある真駒内公園の正面入り口から伸びる広い園路を南に向かって約1km程歩き、その園路が左にカーブして50mほど行ったところの左側に、散策路(写真左)があります。その一帯がカタクリの群生地です(真駒内公園の最南端部:藻南公園に近い場所)。
真駒内公園で自然林の林床はササで覆われている部分が多いのですが、この一帯はササではなく斜面全体が落葉で覆われています。 その堆積した落ち葉の間からカタクリの葉と花梗が伸びだして花を咲かせてます。  これらの花もゴールデンウェーク頃には姿を消して、順次夏草と入れ替わっていきます。

2010.5.6                                                      2018.4.22
右の写真は、カタクリとエゾエンゴサクとフクジュソウが揃って咲いているのを見つけました。

→  カタクリの花(豊平公園)

 

エゾエンゴサク  三笠緑地

南区の定山渓に三笠緑地という公園があります。 夏はパークゴルフができ、冬はスキーが楽しめます。 スキーと言ってもリフトはなく、ただ緩い斜面があるだけで、幼児・小学校低学年向きのスキー場です(採暖ができる休憩施設はある)。 そこに生えているエゾエンゴサクです。 正確に言うとパークゴルフができる公園の敷地ではなく、スキーゲレンデを保つために毎年草刈を行っているいる山側の斜面部分です。
  
2010.5.13
エゾエンゴサクはカタクリと同じ時期に花を咲かせます。 自然林やその縁などに生えていて札幌では身近な植物ですが、この写真のように群落を形成してきれいに咲いているのを見たのは、ここ三笠緑地だけです。 写真を撮ったのが10年近く前なので、最近の状況は判りません。

2010.5.13
高さは10~20cm。 葉は楕円形の小葉3枚からなる。 花期は4~5月で、茎の上部に総状花序の濃い青紫色の花を咲かせる。水色や薄紫や白色の花を咲かせるものや、花弁の先だけピンクないし赤紫色のものや、葉が細長い個体もある。
和名は、蝦夷に生えることと、地中の塊茎が漢方薬の「延胡索」に似ていることから付けられた。春先に花を咲かせ、落葉広葉樹林の若葉が広がる頃には地上部は枯れてなくなり、その後は翌春まで地中の地下茎で過ごすスプリング・エフェメラル(春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、あとは地下で過ごす一連の草花の総称)の一種。
(ウィキペディアより)

 

 

キイチゴ  苗木

キイチゴ(ブラックベリーとラズベリーの苗木)を園芸店で購入しました。
我家のナシ(幸水)がヤチネズミに地際の樹肌を全周食害されて、今後生き延びる可能性がほとんどないので掘り起こしました。 その後釜に植えました。 2018.4.18
キイチゴを選んだ理由は、
⓵お隣さんから毎年ブラックベリーを頂いているのですが、生食にしても、ジャムにしてヨーグルトのトッピングにしても甘酸っぱくて美味しいのです。
②虫がつかず、花が咲いてから収穫するまでの日数が少なく栽培が用意で、晩秋に乱れた枝や混みあった枝を剪定するだけ済むからです。
③これが最大の要因なのですが、今回のナシ(幸水)のようにネズミに食われてしまうと、再度苗木を植えて収穫できるまでに4~5年かかります。 この年齢になるとそれほど気長に待てないのです。 その点、キイチゴは上手く根付いて生長してくれれば今年の夏から、来年は確実に収穫できるのです。 キイチゴはその年に成長した枝に花芽をつけ、その年に花が咲き実が生ります。
ただし、ヤチネズミには気を付ける必要がありますが・・・・・・。

ということで、今年の夏が楽しみです。

<余談:ブラックベリーとラズベリー>
ブラックベリーが黒い果実でラズベリーが赤い実が生ると思っていました。
ところが調べてみると、そう簡単明瞭に分けられるものではないようです。

園芸植物大辞典によると、
ブラックベリーやラズベリーは分類学の「科」、「属」、「種」に当たるものではなく、園芸作物における分類で ラズベリーには、赤ラズベリー、黒ラズベリー、紫ラズベリーの系統があり、ブラックベリーは雑種や変種が多く分類は困難であるらしいのですが、有葉花軸種とか切れ葉種などの系統があるようです。

ちなみに今回購入したものは以下のとおりです。
・ブラックベリー : ボイソン ベリー    黒実
・ラズベリー   : インディアン サマー  赤実

また、北海道樹木図鑑には、
クロミキイチゴ ブラックラズベリー 
バラ科 Rubus occidentalis(ルブス オキシデンタリス)
英名 Black rasberry
とありました。

我が家のお隣さんにあるキイチゴは、おそらく、上述のクロミキイチゴ ブラックラズベリーではないか? と推測してりるのですが・・・・・・・。

園芸植物大辞典には、ラズベリーの黒ラズベリー系統の原種は、Rubus occidentalis(ルブス オキシデンタリス)となっていて、北海道樹木図鑑のクロミキイチゴ(ブラックラズベリー)に当たります。

今回購入したブラックベリー(品種:ボイソン ベリー)とラズベリー(品種:インディアン サマー)の花、葉、果実など品種の特性については、ひと夏の成長をみて報告したいと思っています。

 

 

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こぶ(その5) アグロバクテリウム(その2)

こぶ(その4)で、樹木の主幹に大きなこぶをつくる犯人は、土壌細菌のアグロバクテリウム(Agrobacterium tumefaciens:アグロバクテリウム ツメファシエンス、又はRhizobium radiobacter:リゾビウム ラジオバクター)であることが判りました。
名古屋大学の町田先生の話によると、
アグロバクテリウムは土壌細菌なので、根で感染し、それが維管束、細胞間隙を伝わって植物の体内を動き、傷ついた細胞に出会うと感染し、細胞増殖を誘発し、こぶができるのではないかと考えている とのことです。

ニセアカシアなど老木に見られるこぶは、当初は根や地際で感染し、アグロバクリウムが維管束や細胞間隙を伝わって樹幹の上の方まで上がり、こぶができるようです。


ネグンドカエデ 真駒内公園  ポプラ 道庁?      リギダマツ 中島公園

それでは、このアグロバクテリウムという土壌細菌は、どのような植物に病気を発生させるのでしょうか
最も有名なのが、バラの根につく根頭がんしゅ病です。
以下はタキイ種苗のホームページから引用しています。
根や地際茎部、接ぎ木部に、表面がごつごつした大小さまざまなこぶを生じる。こぶは初め白色で、徐々に乾固して黒褐色のざらざらしたこぶとなり崩壊する。侵された株は周囲の株に比べ生育が若干劣るため、次第に競争に負けて、枯死する。
病原はアグロバクテリウム ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens)という細菌の一種で、1~3本の鞭毛を有する1~3×0.4~0.8μmの棹状細菌である。14~30℃で生育し、適温が22℃、死滅温度は51℃。多くの作物に本病を引き起こす多犯性の細菌である。

 病原細菌は傷口から侵入し、土壌伝染、接触伝染によって広がり、土壌中に長く生存する。したがって発病株は全身が汚染されている場合が多いので、接ぎ木用の母木には用いない。また、汚染株を切ったり、掘り起こしたりした刃物やスコップなどに病原細菌が付着して、健全株の切り口などを次々に汚染する。

タキイ種苗はタネを販売している会社なので、“ 多くの作物 ” と書かれていますが、調べてみると、発芽したときに2枚の葉が出てくる双子葉植物や一部の裸子植物と単子葉植物はこの土壌細菌の餌食?対象になるようです。 ということはほとんどの植物がこの細菌に侵されるということです。

アグロバクテリウムはリゾリウム属に属するのですが、リゾリウム属の中には、空気中の窒素を固定して植物の根と共生する細菌=根粒菌があります。 作物ではダイズなどの豆類、樹木ではニセアカシアやフジなどがマメ科植物が良く知られています。
同じリゾリウム属で、他の植物と共生して窒素を供給する有益な働きをする細菌がいる一方、もう一つは根にこぶを作って宿主を弱らせる作用をする細菌がいることです。 同属の近縁種が同じようなこぶ(ゴール)を作るのですが、宿主にとって全く正反対の作用をもたらすのは、皮肉というか面白いものです。

さらに面白いのは、植物に悪さをするアグロバクテリウムが、最近の遺伝子組み換え技術には重要な道具?資材?方法?になっていることです。 作物の品種改良、例えば作物に耐病性を付与したり、甘味があって美味しい品種を作出など、その中で最も有名で問題になっているのは、この技術を使って(おそらく)作られた農薬をかけても枯れない農薬耐性のある遺伝子組み換えダイズです。 このように、アグロバクテリウムは、植物の形質を変える遺伝子組み換えに広く利用されているのだそうです。

アグロバクテリウムをウェブページで調べる(コトバンク)と、
植物に対して病原性をもつグラム陰性菌一群総称プラスミドのはたらきにより、自身のDNAを植物体に送り込み、形質転換を生じさせる性質がある。外部から特定の遺伝子を組み込むトランスジェニック植物作出に利用される。

と書かれているのですが、グラム陰性菌、プラスミド、トランスジェニック植物など見慣れない用語が並んで、理解できたようなできないような、いまいちはっきりしないのですが、分かりやすく言うと、植物細胞に感染してDNAを送り込む(形質転換)性質がある ことのようです。

南区に自衛隊の真駒内駐屯地があります。 その南西側境界沿いに昭和40年代に植えられたニセアカシアが列植されています。 樹齢は60年前後と思われます。 それらのニセアカシアの主幹にこぶを見つけることができます。 こぶ(その4)の冒頭の画像がそれです。
真駒内方面をサイクリングするときに、これらのこぶをたまに見るのですが、その大きなこぶの中にアグロバクテリウムという土壌細菌がいて、それらは大豆などにつく根粒菌と近縁種で、さらに、人類の先端技術:遺伝子組み換えに重要な役割を果たしていると考えると、今度見るときは、あの異様で醜いこぶに対して見方が少し変わっているのかもしれません。