ツキヌキニンドウ

2011.6.13
花の見頃は過ぎたようですが、この時期、ツキヌキニンドウの花が咲いています。
写真は、豊平公園の野草園と園路の仕切の生垣として植えられています。   2018.10.14                                                    2011.10.9
ツキヌキニンドウはアメリカ原産の常緑又は半常緑つる性木本ですが、札幌では落葉します。 花は、
枝先に穂状の花序をだし、2~4個の花を輪状につける。 花冠は細長い筒状で長さ3~4cm、外面は朱橙色、内面は黄色、先は5裂する。 芳香はない。 雄しべが5個、花柱は1個、ともに花冠から少しつきでる。(樹に咲く花)

秋になると径6~7mmくらいの赤い実をつけます。

写真(開花株)の撮影月日を記載するときに、花の咲いている時期が10月14日となっているので、「えぇっ?、そんな遅くまで咲いてるの?」と信じられなかったので、自分の写真を保管している画像編集アプリPikasaで撮影日時を確認すると、やはり、10月14日となっていました。
「北海道樹木図鑑」では5~7月、これは咲始めから最盛期の頃のことを言っていると思いつつ、次に「樹に咲く花」を調べると、5~9月になっていて、webページでは初夏から秋まで、別のwebページでは10月中旬というのもあるので、札幌でも10月中旬に咲くことは十分に有り得ると、この日付が間違ではないと思うようになったのです。

ツキヌキニンドウはつる性植物で、温度さえあれば(気温が高ければ)つるを伸ばしていき、その枝が花芽をつけるくらい充実すればいつまでも花を咲かせる植物のようなので、上の開花株の写真について、時期は定かではありませんが、その年の春から夏にかけてのある時期に一度剪定したことによって、そこから伸びた枝の先に花芽をつけて10月に花を咲かせたのではないか?と思っています。 札幌では、通常は6月中旬〜7月上旬に見頃(最盛期)を迎えます。
2011.6.21
アーチ状のトレリスに絡ませたツキヌキニンドウ。
2017.6.29
このピンクの花を咲かせるツキヌキニンドウ?もアーチ状のトレリスに絡ませています。

2017.7.1
2014.6.28
ツキヌキニンドウは、スイカズラ科スイカズラ属(ロニセラ属)で、この属は北半球に約180種が分布し、日本にもハスカップやヒョウタンボクなど20種が自生しているようです。

上の写真3種はおそらくツキヌキニンドウ(Lonicera sempervirens)の園芸品種と思われますが、ときおり街中でトレリスに絡ませたり、壁に細工をしてそれに絡ませているのを見かけます。

<ツキヌキニンドウの名前の由来>
名前の由来は、対生する枝先の葉が基部で合着し、茎が葉を突き抜けているように見えることからツキヌキ、冬でも落葉しないスイカズラを「忍冬(にんどう)」とも呼ぶことに由来します。

ブドウ苗木の植付け

昨年の秋にプルーンを伐採しました。 その場所にブドウの苗木を植え付けしました。 植え付け前に迷ったことが2つあって、一つは棚にするか柵にするか?ということと、もう一つは、どの品種を植えるか?ということでした。

一つ目の棚か柵か?については、
➀ 庭に棚を設置すると場所をとる、畑が狭くなる
➁ 設置(造作)が柵に比べて難しい
➂ ブドウは毎年剪定をする必要があるので、その作業が頭上で、しかも棚に絡みついたツルを処理するのに手間がかかる、作業性が悪い

以上の理由でブドウ柵にしました。
ホーマックで直径3cmほどの鋼管を購入、写真のようにつなぎ合わせて組み立てました。 柵の高さは約2m、幅は3mで、鋼管の間は針金を30~40cm間隔で張りました。 直径2mmの針金でもピンと張るのは難しく波打ってしまいました。 風で倒れないように鋼管を焼き丸太で支えています。 おそらく、このブドウ柵で強風にも耐え、10年くらいは持つと思うのですが・・・・・・。 来年、少しは収穫できるのではないかと楽しみにしています。
2021.4.15

二つ目のどの品種を植えるか?については、北海道で古くから栽培されているブドウ品種、キャンベルアーリー(果皮:黒紫)やナイアガラ(白)、ポートランド(淡緑)などの品種がありまが、 その中で、キャンベルアーリーは甘さの中に適度な酸味があって美味しいのですが、種の回りが酸っぱいのが難点で、残りの二つの白系のブドウも自分の好みではないので当初から植え付けようとは考えていませんでした。
それでネットで調べると、ブドウには巨峰や昨今スーパーでよく見かけるシャインマスカットなどの大粒の品種からデラウェアのように小粒まで多種多様な品種が数十種以上あるのです。 しかもそれを植え付けるに当たって考慮する条件は、味、栽培の難易度、粒の大きさ、果実の色などいろいろあって、どの品種を選ぶかは非常に迷うところです。 特に巨峰やシャインマスカットのように大粒品種は札幌では生育期間の温度が不足(夏場の気温が低い)して果実は生っても甘くならないために、総着果量や一房の着果数(粒数)を制限するなど、栽培管理が難しいようです。

ブドウは沖縄から北海道まで栽培が可能な果樹ですが、それぞれの品種には栽培の難易度や寒さへの適応度など、その品種が持っている特性があり、特に札幌(北海道)の場合は、この地方の寒さに耐えられるか?(耐寒性)が重要になります。 昔からこの札幌周辺で植えられている品種以外でどの品種がそれに適応するか?(推奨品種)を参考図書(北の果樹園芸:北海道新聞社)で調べると、以下の品種が載っていました。

① ポートランド(中粒)
② キャンベルアーリー(中粒)
③ ナイアガラ(中粒)
④ ノースレッド(中粒)
⑤ ノースブラック(中粒)
⑥ デラウェア(小粒)
⑦ バッファロー(中粒)

①、②、③ は除外して、④~⑦の品種の中から選ぶことになるのですが、自分としてはタネ無しであることが重要なポイントだったので、④ノースレッドと⑤ノースブラックが外れて⑥デラウェアと➆バッファローが残ります。 少し手間はかかりますが、⑥、➆は共にジベレリン処理でタネ無しにできるので、この2品種に決めました。 特に、③デラウェアは、初心者にも作りやすい品種ということと、遠い昔の子供のころ、お盆の祭壇に供えられていた、あの上品な甘さの懐かしい記憶も手伝って、デラウェアに決めました。
2021.4.15
デラウェアとバッファローの2品種を購入、写真はデラウェアの苗木。 高さは50cm程。
デラウェアは新葉が開く前の苗木でしたが、バッファロウは新芽が3cm程伸びていました。 よく見ると、その新芽はこれから勢いよくのびるのではなく、水気がなく枯れてしまいそうなのです。 おそらく、5月中下旬に新たに芽が伸び出してくるのではないか?と思っています。 苗木の注文が少し遅く、3月下旬にすべきだったのか? と思っています。

〇 ブドウのウィルスフリー苗について

ウィルスフリー苗を使う理由は、アブラムシなどの昆虫やセンチュウ類、土壌菌などが植物体に侵入若しくは傷をつけることで、その時にウィルスが植物体に悪さをすることで葉が小さく縮れたり、斑模様になって植物体を弱らせる原因をつくることです。 有名なのがイチゴのウィルスフリー苗です。 購入した年はウィルスフリー苗で大きな果実が穫れても、次年度以降はアブラムシによる葉の吸汁によりイチゴの植物体にウィルスが混入し、それが原因でしだいに大きな実も数も少なくなってきます。 なので、イチゴ苗は4年程で苗を更新する必要があるのです。
また、ジャガイモも毎年種芋を新しく購入する必要があります。 その年に収穫したイモを翌年に種イモとして植え付けると、葉が小さく縮れて株が大きくならないことが起こります。 これはジャガイモの種イモにウィルスが入ってしまったからです。 これもアブラムシによる吸汁が原因です。

それと同じで、ブドウにもウィルスがつくのです。 ウィルスの被害が出るのは、長くブドウ栽培をしている畑で、個人の庭でブドウを作ったこともないような場所では出ないといわれていますが、イチゴやバレイショはそれが出れば翌年は新しい種イモにするか新しい苗を買って植えればいいのですが、ブドウのように永年作物は、一度植えればそう容易く植え替えすることもできません。 それにウィルスフリー苗(接ぎ木苗)は挿し木苗に比べて高価なのです。 挿し木苗が1000円~2000円なのに対しウィルスフリー苗は3000円以上するのです。 それにネットで購入すると送料も高く、1本が5000円以上になるのです。
しかし、この年齢になると、植えてから2~3年後にウィルスに気づいても遅いので、ウィルスフリー苗を購入することにしました。

「北の果樹園芸」には以下のように書かれています。

近年、ウィルスフリー苗(ウィルス病を保毒していない苗)が販売されています。苗木の価格はやや高いですが、フリー苗のほうが好ましいと思います。 なお、ウィルスフリー苗は初期成育が旺盛になりやすいことが特徴です。

 

<余談 >
下の写真は昨秋伐採したプルーンの根っこ。 お椀状の台木とその下の四方に張り出した太い根。
2021.4.15
プルーン  伐採
⇒ プルーン 接ぎ木:台勝ち

 

 

 

 

 

フジ  冬芽


2012.12.7
短枝についた冬芽
花芽と葉芽は同形、仮頂芽は長さ5~8mmの長い卵形。 芽鱗は2〜3個で、紫褐色を帯びる。(樹に咲く花)
冬芽は互生し、卵形または長卵形で先端はとがり、2~3枚の芽鱗につつまれる。冬芽は長枝の先端に向かって小さくなる。 短枝につく仮頂芽は側芽より大きく、長さは8~12mm。(冬芽でわかる落葉樹)
水滴形で偏平。 見える芽鱗は2〜3枚。 冬芽の基部は膨らむ。 花芽と葉芽は同型。(冬芽ハンドブック)


2014.3.29
夏季に伸びた長枝は剪定され、見える枝のほとんどが短枝。
短枝につく冬芽について、「冬芽のわかる落葉樹」では “ 短枝につく仮頂芽は側芽より大きく” とあるが、「樹に咲く花」と「冬芽ハンドブック」では “花芽と葉芽は同型 ” と記載している。 上の写真で、長枝が剪定されて残った短枝につく冬芽を見ると、仮頂芽と側芽は同じような形、大きさに見える。


2012.4.21
長枝についた冬芽
冬芽は※伏生し、長卵形で、先がとがり、扁平し、長さ5~7mmある。 芽鱗は暗赤褐色をし、無毛で2~3枚が重なる。(落葉広葉樹図譜)
写真の冬芽は、撮影時期が4月下旬なので、冬芽が膨らみ始め芽鱗が割れて、中の葉?
の白い綿毛が見える。
※伏生:冬芽が枝に沿ってつくこと、反対に、枝に対して立ち上がるようにつくのを開出(かいしゅつ)という。
冬芽の基部に丸くて白いものが見えるが、これは葉痕。

 フジ  立木仕立て
 フジ:北海道で一番古いフジ

 

コクワ(サルナシ)とマタタビ 冬芽

コクワ(サルナシ)とマタタビはつる性で同じマタタビ科マタタビ属で、花の形状も
よく似ています。

2011.6.29                                                       2011.7.7
左はコクワ、右がマタタビ。 花の大きさは、コクワが2cm程、マタタビが3cmと、後者の方が一回り大きい。 コクワの葯(やく:雄しべの先の花粉がつくところ)は黒色で、マタタビは淡黄色。 写真の花は両種とも雄花。 両種とも雌雄異株で、雄株と両性花。

wikipedia                                                  2012.10.18
コクワの果実は楕円形で2cm前後、色は緑黄色。 マタタビは長楕円形で3cm、先が尖り、黄褐色。
コクワは、生食、果実酒、ジャムとして利用。 果実酒は梅酒に匹敵する美味しさで、飲んだ後のアルコールを含んだ果実をジャムにするとすこぶる美味。 一方、マタタビは、食すると甘みはあるが、口の中に嫌な苦みが残る。 一度食べればそれで
充分という感じ。

2015.2.5                                                        2015.11.5
本題の冬芽。 左がコクワ、右がマタタビ。
コクワ:枝先の円形の部分は葉痕。 葉痕は枝から盛り上がる。 冬芽はその中に隠れて見えない(隠芽)。
マタタビ:円形で少し凹んだ部分が葉痕。その上の白っぽい少し盛り上がった半円形の中央にチョコレート色の小さな円い点が冬芽。 その大部分は隠れている(半隠芽)。

<余談> 雌雄異株で雄株と両性花
コクワもマタタビも雌雄異株で雄株と両性花です。 この意味は、雄株は雄花だけをつけるのですが、雌株は雌花だけを咲かせる株ではなく、雄しべと雌しべを持った両性花を咲かせる株のことのです。 おそらく、雌花だけを咲かせる株はないのでしょう。 それじゃ、なぜ雌株に雄しべがついているのか?。 もし雌株に咲く両性花の雄しべが正常であれば、雄株は必要ありません。 ということは、両性花の雄しべの花粉は雌しべの柱頭についても花粉管を伸ばして胚珠までいく能力がない、不完全は花粉なのでしょう。  ⇒ ヤマブドウ  雌雄異株

生物(植物)は、種を何万年、何百万年と長く生き延びらせるために他の植物の遺伝子を受け入れて多様性のある遺伝子を持つ体?細胞?にする必要があります(他家受粉)。 コクワとマタタビの両種は、当初 同じ花の雄しべと雌しべで受粉(自家受粉)して種子をつくっていたのですが、環境等の変化や劣性遺伝子の発現などによって、それらは徐々に廃れていくのです。 あるとき、何かのきっかけで役に立たない花粉をもつ雄花が現れ(突然変異)、他の株の遺伝子を受け入れざるを得なくなったのです(他家受粉)。 その多様性のある遺伝子を持った株が環境等の変化にも耐え、現在の姿で現在まで生き延びているのでしょうね。 もしかして、何万年、何十万年先に、突然変異によって両性花ではなく雌しべだけのコクワやマタタビの花が現れるかもしれません。 こんなことを頭の中で思い巡らしています。

 

以前の投稿(ブログ)を読むときは時期(季節、月)を確認してください。
⇒ 酒(しゅ)にすると最高:コクワ
⇒ マタタビの葉は夏に白くなる
⇒ マタタビの葉は夏に白くなる(その2)
⇒ マタタビ(その3)

 

 

 

ナツヅタ  冬芽

2014.4.23
写真中央に見える赤味を帯びたものが冬芽。
サッポロファクトリーのレンガ館に這っているナツヅタ。
この冬芽は花芽のようで、色は淡褐色ないし赤みを帯びた褐色、形状は円錐形で長さは4~5mm。 しかし、葉芽は小さく、円錐形で1~2mm。
写真の細い枝のようなものが乱雑に伸びているが、これは葉柄(中にはツタもある)。 撮影が4月下旬なので、葉柄は一冬ツタに残ったままで、秋に落葉するのは葉身のみのよう。
白っぽいツタ(枝)の表面が丸い形に見えるが、これは葉が落ちた痕(葉痕)。 ツタ(ナツヅタ)はツタ(枝)から吸盤および気根を出して樹や壁にへばりつきながらよじ登る。

2014.4.23 サッポロファクトリー

⇒ ツタ(ナツヅタ):サッポロファクトリー
 ツタ(ナツヅタ)(その2) 樹にからみつく